開発日誌

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[ ツクール情報 ] 最後の?RPGツクールMZ新情報

2020-08-13 22:31:35

来週の木曜日、8月20日は『RPGツクールMZ』の発売日。

ということで、2ヶ月間続いた毎週木曜日恒例のRPGツクールMZ新情報公開も、今日で最後と思われます。今週はお盆期間なので公式サイトもお休みかと思いましたが、しっかり稼働していただいているようですね。私も稼働します!

今週は「初心者講座」と「新機能活用講座」が公開されました。公式の各ページの一番下に、先週公開の「プラグイン講座」と並んでリンクがあります。

え、これ、もう少し分かりやすい場所に載せないと、気付かれないような……。

前回の「プラグイン講座」と同様、ナビゲーションは劣悪。

左の「はじめに」とか「作るゲームの種類」とかの大見出しをマウスオーバーすると、右に小見出しが表示され、その小見出しをクリックすると該当ページに飛べます。しかし、大見出しから小見出しに移動する際に、マウスを上下に動かしてしまうと、小見出しが別の大見出しのものに変わってしまうため、慎重なマウス操作が要求されます。しかも、各ページに次のページへのリンクも設けられていないので、読み進めるには、左の劣悪なナビゲーションのお世話に何度もなることになります。

さらに、私はノートPCなので画面サイズが縦768ドットなのですが、その状態でページを見ると左の大見出しが全部入りきっていません。左部分はスクロールしないので、これでは全項目にたどり着けませんね。かろうじて半分だけ見える一番下の大見出しが「おわりに」なので、一応全部見えているのかと思いましたが、実際にはこのさらに下に「Q&A」の項目がありました。同様に、「データベース編」の小見出しも、下の方の「用語を設定する」や「アニメーションの設定」といったページは、縮小表示するか広いディスプレイで見ないとたどり着けません。

ここは明確に要改善ですね……。

さて、気を取り直して。

「新機能活用講座」には、既存のRPGツクールMVユーザーに向けて、MZの新機能についての詳しい解説が掲載されています。

その中で、これまでの情報公開で言及されていなかった新機能が、いくつか載っていました。

一つ目は、変数オペランドに「直前」の追加。

イベントコマンドの「変数の操作」では、「ゲームデータ」でアイテムの所持数やアクターのレベルなど、様々なゲーム内の値を利用することができますが、新たな項目として、直前に使ったアイテムや直前に行動したアクターのIDなどを取得することができるようです。

具体的には以下の6項目。

  • 直前に使用したスキルのID
  • 直前に使用したアイテムのID
  • 直前に行動したアクターのID
  • 直前に行動した敵キャラのインデックス
  • 直前に対象となったアクターのID
  • 直前に対象となった敵キャラのインデックス

バトルイベントなどで特殊なスキルを作ったりするのに役立ちそうですね。今までは同じことをしようとするとスクリプトやプラグインが必須だったので、工夫のしがいがありそうです。

また「変数の操作」では、これまでなぜかできなかった、アクターや敵キャラのTPも取得が可能になったようです。

そのほか、イベントコマンドもいろいろと強化されているようです。

「文章の表示」では、新たな制御文字が追加され、\PX[n]と\PY[n]で行の文字位置がnピクセル分、横または縦にずれるようです。また\FS[n]でフォントサイズの変更が可能です。

うーん。文字の位置合わせなんて、そんなに使うかな……。位置をピクセル単位で合わせたいというよりは、中央寄せにしたいだけだと思うので、センタリングの制御文字か設定があれば十分だったような……。

あとは、文章入力欄の右クリックメニューに、「色番号の挿入」が加わり、実際の色を確認しながら色番号を入力することができるようです。MVの時にあった、「アイコンセットビューア」の色番号版ですね。「アイコンセットビューア」という意味不明なメニュー名も、「アイコン番号の挿入」という分かりやすい名前に変わったようです。

でも、相変わらず番号しか挿入してくれないみたいですね。「\C[ ]」や「\I[ ]」と一緒に挿入してくれてもよくない?

さらに、「データベースの強化」のページでも、今まで紹介されていなかった内容が登場しています。

スキルやアイテムの対象範囲に、敵と味方全体や、無条件(生死問わず)などが設定できるようになりました。これで、戦闘不能も含めて全回復するアイテムなども作れるようになります。

また、使用効果では複数設定したコモンイベントが全て実行されるように改良。

アクターや武器の特徴で「攻撃スキル」が設定できるようになり、通常攻撃の代わりに特定のスキルを発動させることができるようです。ぱっと思いつく使い方としては、理力の杖みたいなMPを消費して攻撃する武器とかでしょうか。

ざっと見て、こういうのこそ新情報として公開していけば、もっといろいろと話題が広がったのに……と思いましたが、いよいよ来週は発売ですね。

[ 天下御免!からくり屋敷 ] [ テクニック ] [ 素材 ] お行儀良く寝ましょう

2020-08-09 22:48:30

和風マップチップの豪華なお布団って、横に2マス分ありますね。

ここに一人を寝かすと、布団の左右どちらかに寄ってしまって、見栄えが良くありません。

そんなにこだわらなくても、という気もしますが、シリアスなシーンでは、そういう突っ込み甲斐のある部分はできるだけ避けた方が無難です。

というわけで、ちゃんとお布団の真ん中で寝てくれるように直しました。

具体的にどうしたかと言うと、専用のキャラクターチップを作って対処しました。

専用キャラチップは、横幅が通常の2倍になっており、そのうち左右どちらかにキャラを寄せた形にしています。

キャラクターチップは置いたマスの下端中央が基準になるので、こうすれば布団の中央にキャラを寝かすことができます。

しかし、ここで問題がいくつか。

2マス分の布団のうち、イベントが設置されているのは左右どちらかだけになるので、このままだと話しかけたりした場合に片方でしかイベントが発生しませんし、反対側から話しかけようとすると顔の半分を踏んづけてしまうことになります。

というわけで、もう片方にも通行不可の空のイベントを設置して、同じイベントが発生するようにしました。これだとセルフスイッチとかは使えなくなるので、スイッチやコモンイベントを多用することになりますが。

これでちゃんと布団の中央で寝てくれるようになりましたが、今度は目が開いたままなのが気になってきました。

特に死に別れのシーンなどでは、「目を開けてくれ!」などの台詞も飛び出しているのに、キャラは目が開いてるじゃん、というのもオマヌケな感じです。これはキャラチップを加工して、閉じた目のキャラ画像にしました。この程度なら何とかできます。

さらに、フキダシアイコンは元のマスが基準になるので、このままだとずれて表示されてしまいます。

これはスクリプトを作って対処しました。相変わらずRPGツクールVX用ですが、スクリプトを公開します。

指定した番号の変数にX座標・Y座標の調整値を代入しておくと、その分だけフキダシアイコンがずれて表示されるようになります。X座標だけで十分でしたが、ついでなのでY座標も調整できるようにしました。表示後に変数の値を0にするのを、忘れないようにしてください。

質問やアドバイスなどはコメント欄まで、お気軽にどうぞ。素材利用条件などについては、このサイトについての「提供素材について」の項目などをご覧ください。

簡易な実装なので、いくつか制約があります。

調整は同時に表示されているフキダシアイコン全てに適用されます。特定のキャラのフキダシアイコンのみを調整することはできません。また、調整値の変数はフキダシアイコンが消えるまで保持しておかないといけません。「フキダシアイコンの表示」コマンドの直後で調整値の変数を0に戻すと、調整値が反映されなくなってしまいます。必ずフキダシアイコンが消えるまで待ってから、調整値を戻しましょう。

うーん……。

最初はお布団の真ん中でお行儀良く寝かせたいだけだったのに、一つを直したことによって連鎖的に他の部分も直す必要が出てきてしまうという。まさに角を矯めて牛を殺す状態になるため、ある程度のところで割り切るのが必須だと思いました。

[ 天下御免!からくり屋敷 ] たまには進捗報告

2020-08-08 17:23:05

最近はRPGツクールMZの情報や制作講座などテクニックの話題ばかりだったので、たまには『天下御免!からくり屋敷』歴史編制作の進捗報告を。

幕間イベントが多めで進みの悪かった第7幕が、ようやく完成しました。

歴史編を制作すると決めた当初から頭の中にあったシーンの多い幕となっています。

思い入れが強いだけに、前後の繋がり、台詞回し、キャラクターの移動に至るまで、しっくり来るものを作るまでになかなか時間を要しましたが、ようやく満足のいく仕上がりとなりました。

まだ3幕ほど残っていますが、後はそこまで長くならない予定。

急ピッチで進めて、8月中にはこの第3話を終わらせたいところですね。

[ ツクール情報 ] RPGツクールMZ、プラグイン講座が登場

2020-08-06 21:19:28

木曜日恒例の『RPGツクールMZ』新情報公開。

そろそろ体験版が公開されるか?という噂もありましたが、予想に反してサンプルゲームの配信のみに留まりましたね。

うーん、ゲーム自体はMVと大きく変わらないはずだし、細かい部分はプラグイン次第でどうとでもなるし、この時点での情報公開としてありがたいものなんだろうか……。

もう一つの情報公開として、プラグイン講座も公開されました。

恐ろしく使いづらいナビゲーションをたどって読んでみましたが、プラグイン講座というよりはJavaScriptの初心者講座のような……。そのうち拡充されるのでしょうか。JavaScriptの知識、文法については最低限の解説のみ行っていますとの触れ込みですが、まだその最低限の解説しか行われていないようにも見えます。

具体的にRPGツクールMZに関わる部分は、「コアスクリプト関数の利用」のページぐらいでしょうか。データベース変数やゲームオブジェクト変数が一覧になっているので、取っかかりとしては非常に便利ですが、肝心のリファレンスは謎のPDFへのリンクとなっており、使いづらさに拍車をかけています。先週公開されたRPGツクールMZ Core APIも、プラグイン制作に必要な情報だと思いますが、それへのリンクもページ内にはありません。さすがにもうちょっと整備されるんだろうな、とは思いますが。されるよね……?

ということで、だんだんと語ることがなくなってきた感もあります。来週はお盆期間なので情報公開もお休みかもしれません。そして再来週はもう発売日なので、今週が最後の情報公開という可能性も。この調子だと体験版とかは出ないんでしょうかね?

[ テクニック ] マップ講座(3) ダンジョンは先に動線を決める

2020-08-02 06:50:32

マップ制作講座の第3回。

今回はダンジョンの作り方です。

ダンジョン制作は苦手な方が多いようで、RPGツクールVXの頃からダンジョンの自動生成機能が備わっています。自動生成してから細かい部分を手動で調整するのが、よくあるダンジョン制作の方法かもしれませんが、今回はダンジョンをイチから作るコツを解説します。

ダンジョン作りの一番のポイントは、先に動線を決めることです。

大まかな手順としてはこんな感じ。

  1. マップのある程度の広さを決める
  2. スタート地点とゴール地点を決める
  3. スタートからゴールまでなるべく長い距離を通る正規ルートを決める
  4. 正規ルートに寄り道を追加する

以下、具体的に説明します。

まず始めに、マップのある程度の広さを決めましょう。

マップの広さは、最初はとりあえずで構いません。

計算尽くでやるならエンカウントの平均歩数と回数とで決めたりもしますが、そこまでしなくても、小さめのダンジョンか大きめのダンジョンかで、だいたい決めればOKです。正規ルートや寄り道ルートの動線を固めながら、後で徐々に調整していっても問題ありません。

ちなみに『天下御免!からくり屋敷』の各階層は、余白込みで91x75となっています。最初はもっと狭かったのですが、段階的に広くしていって今の大きさになりました。

次に、スタート&ゴール地点を決めます。

スタート地点はダンジョンの入口や、前の階からの階段の位置などです。ゴール地点は、ボスや目的の宝箱、もしくは出口や次の階への階段の位置などです。

『天下御免!からくり屋敷』の場合は、スタートは前の階の階段の位置で、ゴールが首領部屋となっています。首領部屋が次の階のスタート位置になるので、それを踏まえてゴール地点を決めている感じですね。だいたい、スタート地点の点対称の位置にゴールを置くことが多いですが、常に点対称だとダンジョンの構造がマンネリ化するので、適度に変えたりします。

また『天下御免!からくり屋敷』には階層を自由に行き来できる「エレベ板」があり、この位置は固定です。このような既に決まった構造物(吹き抜けとか)がある場合は、この時点でマップに組み入れておきましょう。

いよいよメイン作業。

スタート地点とゴール地点を結ぶ動線(正規ルート)を描きます。

スタートからゴールまで直線ではなく、マップ全体を迂回するように動線を引くと、効果的なダンジョンとなります。

全体を迂回すると言っても、あまり隙間なく動線を引いてしまうと、寄り道(宝箱や外れのルート)の余地がなくなってしまうので、ある程度は隙間を残しましょう。

『天下御免!からくり屋敷』の場合は、スタート地点から間もなく「エレベ板」に至り、しばらくして「からくり部屋」を通過し、しばらくすると「エレベ板」の近くを通過してショートカットの「かんぬき扉」があり、そこからさらに進んでゴールの「首領部屋」を配置しています。このように経由する施設が多い場合は、各施設の距離感を考慮する必要があるため少し頭を使いますが、通常のダンジョンであれば、スタートとゴールを結ぶだけで十分でしょう。

慣れていれば動線を引きながらマップを作ることも可能ですが、慣れないうちはまず紙などに書いてみるのがいいでしょう。

最後に、正規ルートの隙間に寄り道ルートを引いていきます。

寄り道ルートとは、外れのルートや宝箱などのルートです。

寄り道ルートは行き当たりばったりで作るよりも、あらかじめ宝箱をいくつ置くか決めた上で作っていくのがいいでしょう。ただ、実際のマップに組み込む際に、上手く寄り道ルートを作れないといったことも起こりうるので、宝箱の数はガチガチに決めるのではなく、5〜7個ぐらい、みたいに緩く決めておくのがコツです。

『天下御免!からくり屋敷』の場合は、1階層で小部屋が5つ、通常のつづら(宝箱)が8つと数を決めていたので、これに沿って寄り道ルートを作っています。実際にはマップを作る上でさらに隙間とかができてしまうことがあるので、そういう時は「小さな鈴」の置き場とかに活用しています。

また寄り道ルートは、短距離のものや長距離のもの、1つの寄り道ルートからさらに分岐するルートなど、いくつかバリエーションを設けるのがポイントです。

今回のマップ講座はここまで。

最終的なマップは右のようになりました。動線の細かい部分は、実際にマップを作りながら微調整しています。動線を引いてからここに至るまでは、まだいくつもポイントがありますが、それはまた次回以降で解説します。

いきなりダンジョンを作り始めるのではなくて、最初にしっかり正規ルートと寄り道ルートを決めましょう、というのが今回のポイントになります。

ダンジョンに限らずマップの制作方法は、人の数だけ流儀が存在すると思います。ですが、キレイなマップはたいてい行き当たりばったりではなく、動線がちゃんと考えられているはずです。

小さいマップならともかく、ある程度の大きさを持ったマップであれば、最初にしっかりと動線を引いてから作ると、キレイなマップができると思いますので、ぜひ試してみてください!