開発日誌

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[ ツクール情報 ] RPGツクールMZ、新情報公開は続くよ

2020-07-30 20:57:49

先週から『RPGツクールMZ』のプレオーダーも始まり、毎週木曜日恒例の新情報公開は打ち止めかと思いましたが、ちゃんと今週も公開されましたね。

今週は、製品に収録されるサンプルゲーム、6作品の概要が公開されました。

それと同時にサンプルゲームの制作者の方々も発言されています。情報解禁により今後はさらに実体験に基づいた詳細な情報などが出てくるといいですね。

また、RPGツクールMZ Core APIのドキュメントも公開されました。

これって、MVの時はWeb上で公開されていましたっけ。MVの時はヘルプの一番下にひっそりと置かれていましたが、Web上でしかも事前に公開されるのは良いですね。そんなに難しい英語じゃないとは言え、やはり日本語版も欲しいところではありますが。

あと、本当にリファレンスだけなので、どこを起点に見ればいいかが、いまいち分かりません。オブジェクトの構造図みたいなのがあればいいのでしょうけど。

MVは完全にスルーしてしまいましたが、MZは触ろうと思っているので、Core APIの内容も理解しないといけませんね。ただ、年々新しいことを覚えるのが辛くなってくるるる……。

[ テクニック ] マップ講座(2) 狭く作る

2020-07-26 23:25:13

マップ制作講座の第2回ということで、やっていきたいと思います。

自分がマップを作る上で意識しているのは、広くしすぎない、狭く作るという点です。

例えば、道具屋の内装を作るとします。RPGツクールの仕様上、マップのサイズは最小が17x13です。すると左のように、そのサイズいっぱいに作ってしまいがちです。

▲ 17x13をフル利用

▲ 9x11の範囲に収めた

しかし左だと、テーブルの上の小物やカウンター後ろの棚が雑然としており、その割にはどことなくスカスカ感があります。かと言って、空いているスペースに物を置くと、さらにゴチャゴチャしてしまうこと間違いなしです。

一方の右。前回の「マップ講座1 プレイヤーは常に中央に」に従ってマップを作っており、マップ全体のサイズは23x17ですが、そのうち9x11の範囲に実質的な部分は収めています。テーブルや棚もシンプルにして、無駄なスペースをなくしています。道具屋の内装であれば、このくらいで十分でしょう。

マップをキレイに見せるコツは、なるべく無駄なスペースを作らないことです。

もとのマップサイズが広いと、どうしても無駄なスペースが生まれがちですし、それを埋めようと小物類を配置しても、整理されていない押し入れの中みたいに、ゴチャゴチャとした印象を与えてしまいます。移動距離も増えてしまいます。

ならば最初からマップサイズを最小限にしておけば、無駄なスペースも生まれず、小物類の配置も少なくて済み、移動距離も減らすことができます。

▲ 民家はたくさんあるが入れる家は1つもない

町などのマップも同じことです。

よく大都市を表現しようとして、広大なマップを作る人がいます。民家をいっぱい並べますが、そんなにたくさん家の中を用意できないので、中に入れる家はほんの一部で、あとは入口のない家だったり扉が閉まっていて入れない家だったりが並んでいたりします。

しかしこれだと、入れない家は装飾以上の意味を持ちませんし、入れる家はどこかを探しながらだだっ広い町を歩き回ることになってしまいます。

そもそも大都市を表現するのに、必ずしも広い敷地に家々が軒を連ねる必要はありません。ゲーム内に登場する他の町よりも一回り大きければ十分です。あとは大都市っぽい特徴的な建物――例えば豪華な宿屋や荘厳な教会、貴族のお屋敷などを置いておけば、十分に大都市を表現可能です。

「大都市なのに……家が5軒だけwww」といったツッコミは来るかもしれませんが、単なるツッコミなのであまり気にしなくて大丈夫です。逆にツッコミを気にして巨大な町を作ったら、今度は「広すぎて探索が大変」という具体的な不満が出てきてしまいます。

マップを作る際に、どうしてもスカスカ感やゴチャゴチャ感が出てしまうという人は、マップのサイズを一回り、二回り小さくしてみてはいかがでしょうか。

広いマップは、作るのも大変だし歩き回るのも大変だしで、良いことがありません。必要最低限の広さに抑えることが、キレイなマップ作りの第一歩だと思います。

[ テクニック ] マップ講座(1) プレイヤーは常に中央に

2020-07-25 09:29:38

昨日の宣言通り、自分が制作の上で意識していることや、応用できそうな技術について、少しずつ紹介していければと思います。

前作『小さな大冒険』の時は「マップがきれいだった」という反響を多くいただきました。自分でもマップ作りは楽しいし、それなりに自信もあります。

そこでまずはマップ作りのノウハウについて、何回かに分けて書いていこうと思います。RPGツクールでのマップ制作講座は他にもたくさんありますが、それらとはちょっと視点を変えたものにできるといいなと思っています。

さて、他のツクール製ゲームのマップと比べた時に、自分のゲームのマップの一番の特徴は、プレイヤーキャラクターが常に画面中央に表示されているという点ではないかと思います。

多くのゲームでは左のように、マップの端に来ると画面のスクロールが固定され、代わりにプレイヤーキャラクターが動くようになります。一方で私のゲームでは基本的に、端に来てもプレイヤーキャラクターが画面中央から動かないようにしています。

▲ マップの端に至るとその分プレイヤーキャラクターの位置がずれる

▲ マップの端に至ってもプレイヤーキャラクターの位置は常に画面中央

右はどのようにしているかというと、別に特別なことは何もなくて、単に通行可能な範囲に対して、上下に6マス、左右に8マス分、余白を設けているだけです。

初期の頃のドラクエをはじめ、当時のRPGはだいたいそんな感じだったので、これが普通だと思っていましたが、最近ではドラクエですら左のようになっているんですよね。

左の形式だと何が嫌かって、マップの端に至ると急にスクロールが固定されて戸惑う点です。プレイヤーキャラクターが画面中央から急に移動するので、視点を移動させないといけません。

また、場所移動の際にプレイヤーキャラクターを見失う恐れがあります。

左上の扉に入ったら、部屋の右下から開始、というようなケースはマップの位置関係上あり得ますが、次のマップがどこから始まるのか、初見のプレイヤーは分かりません。前マップの終了位置と次マップの開始位置が画面内で離れていると、プレイヤーキャラクターがどこに行ったのか、見失ってしまうかもしれません。

▲ マップの左上の入口に入ると、次のマップは右下から始まる。しかもプレイヤーキャラクターが壁の色と似ているため、分かりづらい。

その点、プレイヤーキャラクターが常に画面中央に固定であれば、どのようなマップの位置関係であっても、必ず画面中央にいるので見失うことはありません。

最後に、マップの端が見えると、興が削がれる点です。

町や室内であればまだしも、ダンジョンなどでマップの端が見えると、もうこの先には何もない、というのが明らかになってしまいます。以前プレイしたゲームで、フィールドマップなのにマップ端に到達した時は、冒険している感覚が一気に失われてしまいました。

謎解きの一種に、一見行き止まり or もう何もないように見えて、実は先に道が続いている、というものがあります。有名な例で言うと、ドラクエ3のランシールの神殿とかかな。自分のゲームでもよく採用しています。こういうのも、端が分かるタイプだと採用が難しいですよね。

逆に、プレイヤーキャラクターを常に画面中央に表示する場合のデメリットもあります。

一つは、マップ内で移動できる範囲を制限する必要がある点。

柵や壁などで囲めるのであれば難しくありませんが、草原や砂漠のようなマップでは、障害物を置いて移動可能な範囲を制限するのが難しいです。

よくあるのは、入口とか出口を設けるのではなくて、一定の範囲から外へ出るとフィールドマップに場所移動する方式ですが、スクリプトやプラグインなしで実装しようとすると、周囲全体に場所移動のイベントを敷き詰めるか、並列処理でプレイヤーの現在地を監視して一定の座標の時に場所移動させるか、いずれにしてもちょっと面倒くさいです。

もう一つのデメリットは、余白の部分もマップを作らないといけない点。

ダンジョンや屋内であれば余白部分は暗闇でもいいのですが、町マップなどの場合は余白部分もそれなりに作り込まないといけません。

昔のドラクエとかだと周囲は一面草原で済ませられていたりしましたが、それは解像度も粗くマップチップも限られていたから許されていた話で、今それをやったら手抜き感が半端ないです。なので、ゲーム上では全く意味のない部分にもかかわらず、ちゃんと作り込まないといけないという、やや不毛な作業が。

ただ、こういうところをちゃんと作り込んでいるか否かで、マップの見栄えは確実に変わってきます。範囲外だからといって、手を抜かずに作り込みましょう。たまに、気合いを入れて作った部分が、障害物の関係でプレイ中には見えない部分だったりすることもありますが……。

さて、マップ制作講座の第1回として、「プレイヤーキャラクターを常に画面中央に表示」することについて説明しました。

果たしてこれはマップ制作なのかというとやや疑問ですが、マップ作りにあたっての基本方針である上に、あまり意識されてないんじゃないか、ということで紹介してみました。

いかがだったでしょうか?(キュレーションサイト風)

次回からは、実際のマップ制作の上でのコツ等を紹介していきたいと思います。

[ サイト情報 ] 記事一覧を設置した

2020-07-24 08:44:33

このサイトを開設してから、来月でなんと10周年を迎えます。

開発日誌の記事の数も200本近くとなりました。これだけ増えると、過去の記事を見返そうと思った時に、延々と「古い記事 >>」を押す必要があって面倒です。

そこで、「記事一覧」のページを設置しました。

右側の「最新の記事」の最下段に設置してあります。記事の投稿日、タイトル、カテゴリーをリストにしているので、目的の記事がある場合はそこからどうぞ。

小さな大冒険』をリリースして間もない頃は、それなりにサイトも賑わっていたような記憶がありますが、その後2013年頃から更新頻度が激減して、サイトを訪問してくださる方もすっかり減ってしまいました。

しかし、それではもったいないということで、『RPGツクールMZ』の発表を機に、記事の投稿頻度も増やしていこうと思います。そんな宣言して大丈夫か……。

まあ、制作の上で意識していることとか、応用できそうな技術なんかを少しずつ紹介していければと思っていますので、どうぞよろしくお願いいたします。

[ ツクール情報 ] RPGツクールMZ、プレオーダー開始

2020-07-23 16:19:02

今週の木曜日は、今となってはもはや存在意義が分からない4連休の初日。ということで、恒例の『RPGツクールMZ』新情報公開はどうなるのかと思っていましたが、フライングで火曜日の7月21日に、予約販売の受付開始が告知されましたね。ちょうど1ヶ月前ということか。

プレオーダー版は定価の1割引で購入できるほか、以下の特典が付くそうです。

  • キャラクタージェネレーター素材集
  • MV&MZリミックス楽曲素材集
  • RPGツクールMV製品版

キャラクタージェネレーター素材集は、子供と老人をテーマにしたパーツ素材という触れ込みですが、その割にイメージ画像は子供と老人っぽくないのが謎。

楽曲素材集は、一部のMVとMZのデフォルト楽曲をリミックスした音楽素材が26曲と、新規楽曲4曲の、合わせて30曲の素材集だそうです。リミックス楽曲は、うまく使えれば同じテーマで雰囲気の異なるシーンが演出できたりするので、便利かもしれません。うまく使えれば、ですが。だけど、4曲の新規楽曲って、そのくらいならけちくさいこと言わずに、デフォルト素材として含めてくれてもよかったのに。

最も謎なのは、前作のRPGツクールMVが付いてくる点。

いったいどういうニーズに応えたものなんだ?

MVとは素材規格がほとんど共通なので、MVを持っていなかった人がMVの素材を流用できるようになる、という利点はありますが、それだったら素材集のみでいいはず……。既にMVを持っている人は、Steamのフレンドにプレゼントできる(ツクール公式ストアで購入した場合も可能)そうですが、今さらMVをもらっても、という気が……。

あと、公式ストアかSteamでMVを購入していた人には、1割引(プレオーダーと合わせて2割引)で購入可能だそうですね。これって、MVの発売当初はエビテン(ebten)が公式ストア相当だったと思いますが、そこで購入したのもカウントされるの……?

またプレオーダー版とは別に、バンドル版、バンドルS版という、別売りの素材集が10〜15%オフで付いてくるバージョンも販売開始されているようですが、これは今のところSteamでしか購入できないようです。今後もSteamのみでしか販売しないのか、そのうち公式ストアでも販売を始めるのか、ちょっと様子見予定。

バンドル版で付いてくる、MV Trinityの素材集と3Dパーティクルエフェクト素材集は欲しいですね。逆にパッケージキャラクター素材集はあまりいらない気がするので、無理にバンドル版を購入するよりは、前述2つの素材集を単体で購入した方が、トータルでは安く済むことになりそうです。