開発日誌

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[ テクニック ] [ 素材 ] [ プラグイン/スクリプト ] ダミーのタイルを透明にする

2025-09-18 17:53:50

指定した地形タグを持つマップチップ(タイル)を実際のゲーム画面で非表示(透明)にするプラグインを公開しました。

RPGツクールMZ専用です。

ダミータイル

過去記事「透明タイルや空イベントを使ったツクールの小技」で、透明のダミータイルを置いて通行設定を制御する小技を紹介しました。

すなわち、そのままでは通行できてしまうところに通行設定を[×]にした透明のマップチップを上のレイヤーに置いて通れなくしたり、逆に本来は通行できないところに通行設定[○]の透明チップを置いて隠し通路や特殊な通行設定を実現したりする方法です。

この方法には欠点があって、透明のタイルであるため置いてあることが目に見えない点です。変なところにダミータイルが残っていても、まず気付きにくいです。

それの対策として、制作中は透明ではなく○や×などの記号を入れておく方法も、当該記事内で紹介していますが、リリース時にタイルセット画像を差し替えるのが面倒ですし、差し替えるのを忘れると目も当てられません。

それを解決する方法として、ダミータイル非表示プラグインを公開しました。

これを使えば、ダミーの透明タイルも安心して設置できます。

プラグインの使い方

使い方は簡単で、まずタイルセット画像はダミータイルに分かりやすい記号を入れて作ります。

次にデータベースの「タイルセット」で、非表示にしたいダミータイルに任意の「地形タグ」を設定します。ここでは仮に1番の地形タグを設定します。

そしてプラグインパラメータの「非表示地形タグ」で、先ほど設定した地形タグの番号を指定します。

以上の設定で、指定された地形タグを持つタイルは、実際のゲーム画面では非表示(透明)になります。

一方で、ツクールのエディタ上では元の画像のままなので、エディタ上ではダミータイルの存在が分かるようになるのと、実際のゲーム画面では見えないようになるのが、これで両立できます。

▲ 通行不可にしたいところに×のダミータイルを設置。実際のゲーム画面では非表示に。

本プラグインは見た目だけ非表示にするもので、タイルの通行設定はもちろん、茂み属性やダメージ床の効果は維持されます。

また、地形タグはリスト形式で複数指定が可能です。

なお、通常のマップタイルだけでなく、イベント画像にタイル画像を利用した場合でも同様に、実際のゲーム画面では非表示になります。

地形タグ

地形タグを使う都合上、他の用途で地形タグを使い切っている場合は利用できませんので、ご注意ください。

また、番号に空きがあったとしても、他の用途と併用ができるかは、他の用途におけるプラグインやイベントの作りに依存します。一応、本プラグインでは他との併用がしやすいように、地形タグは複数指定可能にしてあるので、うまく活用してみてください。

なおこの「地形タグ」というのは、ツクールの数ある機能の中でもマイナーかつ特殊な立ち位置の機能です。

地形タグはマップチップに0~7の8つ(実質7つ)の番号の1つを割り当てることができ、プラグインやイベントコマンドの「指定位置の情報取得」で取得して使うことができますが、ツクールでは珍しい、本来の用途が定められていない機能となっています。

似たような機能に「リージョン」がありますが、地形タグは直接マップチップと紐付くため、特定のチップに対して何か処理を定義したい時に便利です。

詳しくは過去記事「地形タグで滑る床を実現」もご参照ください。

プラグインに関する質問やアドバイスなどはコメント欄まで、お気軽にお願いします。素材利用条件などについては、このサイトについての「提供素材について」の項目などをご覧ください。

[ テクニック ] [ 素材 ] [ プラグイン/スクリプト ] 足踏み・歩行アニメの速度を速める

2025-09-07 22:31:12

キャラクターの足踏みアニメと歩行アニメの速度を速めて、キャラが走っているように見せるプラグインを公開しました。

RPGツクールMV/MZ両対応です。

よくあるイベントで、キャラクターが走り去って行く、あるいは駆け寄って来るようなイベントを考えます。

イベントコマンドの「移動ルートの設定」で、移動速度をデフォルトの3(1/2倍速)よりも速い4(標準速)や5(2倍速)に変更してから移動させるのが普通ですが、これだと今イチ走っているように見えません。

滑り歩いているように見えるデフォルトの挙動

原因は歩行のアニメーション速度が遅いせいです。

移動の速度に比べて歩行アニメーションの速度が遅いために、走っているというより水平移動しているような違和感があります。

移動速度と足踏み・歩行アニメのグラフィック切り替え頻度は決まっていて、以下のような対応になっていると、最近X(旧twitter)でポストがありました。

出典:はらお絵描き丸
移動速度 かかるフレーム数
1マス移動 歩行アニメ 足踏みアニメ
1(1/8倍速) 128 16 24
2(1/4倍速) 64 14 21
3(1/2倍速) 32 12 18
4(標準速) 16 10 15
5(2倍速) 8 8 12
6(4倍速) 4 6 9

これを見ると違和感の正体がわかります。

移動速度は1段階上がるたびに倍々で速くなっていくのに対して、歩行アニメの方はそこまで速くなりません。特に5(2倍速)の時は1マスの移動で1歩分の歩行アニメーションであり、これが滑り歩いているように見える原因と思われます。

足踏みアニメと歩行アニメの切り替えフレーム数がどうなっているかは、コアスクリプトを見ればすぐに分かり、以下のような計算式で求められます。

足踏みアニメ切り替えフレーム数 = (9 - 移動速度) * 3

歩行アニメ切り替えフレーム数 = 足踏みアニメの 2/3

そこで、この計算式を変えられるプラグインを作りました。

「移動ルートの設定」の「スクリプト」でthis.startRunning();と記述すると、以降で歩行と足踏みのアニメーション切り替え速度が速くなり、this.stopRunning();と記述すると元の速度に戻ります。

イベントコマンドの「移動ルートの設定」だけでなく、自律移動の「カスタム」におけるルート設定の中でも使用可能です。

またルート設定中でなくとも、通常のイベントコマンドの「スクリプト」でも使用可能です。その場合はthisの部分を$gameMap.event(1)などとして、対象のマップイベント(キャラクター)を指定してください。

変更後の計算式は以下の通りです。

足踏みアニメ切り替えフレーム数 = (7 - 移動速度) * 3

歩行アニメ切り替えフレーム数 = 足踏みアニメの 2/3(変わらず)

歩行アニメの切り替えフレーム数が4(標準速)で6、5(2倍速)で4となり、ちゃんと走っているようなアニメーションに見せることが可能です。

一瞬だし細かい部分なのでそこまで気にするほどのことはないかもしれませんが、走り去ったり駆け寄って来たりといったシーンは割と緊迫感のあるシーンなので、できれば違和感は避けたいものです。

歩行アニメだけでなく足踏みアニメも速くなるため、走るシーンだけでなく歓声に沸く群衆やはしゃぐ子供といった表現でも使えるかと思います。

ただ試してみると分かりますが、かなりちょこまかとした動きになってしまうこともあり、実際の動きを確認しながらのご利用をお勧めします。

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[ ゲームリリース情報 ] [ 王国の英雄 ] [ サイト情報 ] 長編大河RPG『王国の英雄』正式公開!

2025-08-31 21:51:08

長編大河RPG王国の英雄 - The Hero of the Kingdom -

ついに正式リリース版を公開しました!

現時点ではフリーゲーム公開サイトのPLiCyで、ブラウザ版のみの公開となります。

βテスト版では未完成だった闘技大会の後半戦とラスボス戦~エンディングまで、全て完成しております。βテスト版からもセーブデータはそのまま引き継げるので、引き続き最後までお楽しみください。

しばらくは微調整やバグ修正も頻繁に行うと思うので、ダウンロード版はそれらが落ち着いた9月後半あたりに公開いたします。

ブラウザ版からダウンロード版へのセーブデータの引き継ぎはできませんので、ダウンロード版でプレイしたい方はもうしばらくお待ちください。

当初は8月頭に体験版をリリースして、9月に正式版をリリースする予定でしたが、体験版の完成が予定よりも遅くなったこと、βテスト版である程度致命的なバグは潰せたこと、2025年のPLiCyゲームコンテストの応募〆切が8月31日であることなどから、体験版をスキップし、予定を繰り上げて正式版の公開に踏み切りました。

プレイの感想やご質問、バグ報告などありましたら、お気軽にお寄せください。

どうぞよろしくお願いします!

[ サイト情報 ] SSL対応になりました

2025-08-23 16:36:26

本日2025年8月23日は、当サイトwerepanda.jpが開設されて15周年。

それを機に、長年の課題であったウェブサイトのSSL(https)対応を実施しました。

あくまで個人サイトであり、そこまで手間をかけるのもどうかな……と思ってこれまで対応してこなかったのですが、昨今はほとんどのサイトがhttpsで、プラグイン等をダウンロードする時もセキュリティーの警告が出てしまうなど、ユーザーに実影響も出てきているので、重い腰を上げることにしました。

SSLの設定自体は以前業務で行ったこともあり、そんなに大変ではなかったのですが、ブラウザからのアクセスがなかなか上手くいかずに難儀しました。悪戦苦闘した結果、クラウド(AWS EC2)のセキュリティー設定でHTTPS(443)のポートが閉じられていたという、実に単純な不備で、それを直したらあっさりhttpsでのアクセスが成功しました。

実際にアクセスするとちゃんとhttpsになっていて、正しく保護された接続になっていることが確認できると思います。

古いhttpの方にアクセスしても、httpsにリダイレクトされるようにしてあるので、古いURLを修正する必要はありません。ユーザーの皆さんへの影響はないと思います。

見映えの問題もあるので、当サイト内のメニューのURL等はhttpsに修正しましたが、開発日誌の過去の記事中にあるリンクなどは、さかのぼって修正するのがめんd……おいおい修正していきます。

セキュリティーが向上して当サイトのコンテンツをより安全にご利用いただけます。安心してゲーム作品やプラグインをダウンロードしていただけるようになりましたので、今後ともwerepanda.jpをどうぞよろしくお願い申し上げます。

[ テクニック ] [ 素材 ] [ プラグイン/スクリプト ] 飛行船の影を消す

2025-08-01 18:01:09

飛行船の影の表示・非表示を切り替えられるプラグインを公開しました。

切り替えをプラグインコマンドで行う都合上、RPGツクールMZ専用となります。

※ 2025-08-21追記:プラグイン導入前のセーブデータで始めるとデフォルトで影が表示されない不具合を修正しました

デフォルトだと遠景にも影がついてしまう

ツクールの乗り物の1つである飛行船は、乗り込むと地面に影が描画されます。

これはごく自然な描写であり、標準でこの機能が備わっているのは非常にありがたいことです。

しかし、はるか高い上空を飛んでいる場面や、遠景の上を通過するようなシーンなど、影があると不自然に見えてしまうケースも存在します。

飛行船の影は img/system/Shadow1.png の画像が使われるので、飛行船の影は常に非表示でよい、という場合にはこの画像を透明なものに差し替えるという手もありますが、状況によって影を付けたり消したりしたいというケースには、標準で実現できる手段はありません。

飛行船の影が消せる!

このプラグインを導入すると、飛行船の影の表示・非表示をプラグインコマンドで切り替えることができます。

プラグインコマンドの「飛行船の影を消去」で影が消え、「飛行船の影を表示」で表示されるという、ごく単純なものです。デフォルトは影が表示されている状態です。

例えば遠景の有無で影の有無を切り替えたい場合、並列処理で「指定位置の情報取得」を使ってプレイヤーの位置のタイルID(レイヤー1)を取得し、その値が0(レイヤー1が透明=遠景が見えている)であれば飛行船の影を消去、そうでなければ影を表示、とすれば簡単に実現できます。

特別なイベントシーンで、影を自前で制御したい場合にも便利です。

質問やアドバイスなどはコメント欄まで、お気軽にお願いします。素材利用条件などについては、このサイトについての「提供素材について」の項目などをご覧ください。