開発日誌

テクニック

[ テクニック ] [ 素材 ] [ プラグイン/スクリプト ] アイテムやスキルの使用可否をスイッチで制御

2022-09-08 00:24:43

特定のスイッチがONの時だけ、アイテムやスキルを使用可能にするプラグインを作成しました。

RPGツクールMV/MZの両方に対応しています。

かつてVX用のスクリプトとして公開した「使用可否スイッチ制御スクリプト」の、MV/MZ版となります。

アイテムやスキルのメモ欄に <enableSwitch:n> と記述すると、そのアイテムやスキルは、n番のスイッチがONの時にだけ使用可能となり、OFFの時は使用不可能になります。戦闘中かメニュー画面か、消費MPなどの使用条件は、もちろんこれとは別に適用されます。

具体的な使用イメージは、現在のマップがダンジョンか否かというスイッチを用意して、ダンジョンからの脱出魔法やアイテムはそのスイッチがONの時にだけ使用可能にするといった使い方や、特定のイベント中は移動魔法・アイテムを使えなくする、といった使い方でしょうか。

スイッチのON/OFFで表現できる状態であれば、何でも条件にできます。

スイッチ以外でも少し工夫することで対応可能です。例えば変数の値が一定値以上という条件であれば、並列処理でその変数の値を監視して、一定値以上の時にスイッチをONに、一定値未満の時にスイッチをOFFにしてやれば、対応できます。

似たようなプラグインは多数存在し、スイッチ以外を使用条件にできる高機能なものもありますが、スキルだけでアイテムには対応していなかったり、他のベースプラグインを必要としたり、高機能すぎて設定方法が複雑だったりしたので、もっと単純なものが欲しいと思って自作しました。

たぶん同じような単純機能のプラグインもあるとは思いますが、見つけきれなかった……。

質問やアドバイスなどはコメント欄まで、お気軽にお願いします。素材利用条件などについては、このサイトについての「提供素材について」の項目などをご覧ください。

[ テクニック ] [ 素材 ] [ プラグイン/スクリプト ] ステートの特徴をアクターか敵キャラかで切り替え

2022-07-29 00:43:48

ステートに指定された特徴を、アクターもしくは敵キャラにのみ適用させるプラグインを作成しました。

RPGツクールMV/MZの両方に対応しています。

ステートのメモ欄に以下の記述をすることで、ステートに指定された特徴を、アクターのみ、もしくは敵キャラのみに適用させることができます。

<traitsOnlyActor:特徴番号>
指定した番号の特徴はアクターにのみ適用されます。
<traitsOnlyEnemy:特徴番号>
指定した番号の特徴は敵キャラにのみ適用されます。

特徴番号は、特徴欄に指定された特徴の一番上が1で、以下順番に2,3,4…となります。特徴がたくさん指定されている場合は、数え間違いにご注意ください。

特徴番号はカンマ(,)で区切って複数指定することも可能です。

例えば <traitsOnlyActor:2,3> と指定すると、2番目と3番目の特徴がアクターにのみ適用されます。

いったいどういう時に使うんだって感じですが、ステートの効果を味方と敵とで変えたい時に役立ちます。

具体的には、暗闇(命中率低下)のステートで、味方がこのステートにかかった時は命中率の低下を甘めに、敵がかかった時は厳しめにしたいと思いました。

そこで、ステートの特徴を(1)命中率-65%と(2)命中率-25%の2つに分け、2つ目の特徴は対象が敵キャラの場合のみ有効にします。

そうすることで、味方がかかった時は命中率-65%、敵がかかった時は2つ合わせて命中率-90%となります。

味方が暗闇状態になった時、命中率の低下があまりに大きいと、ミスを連発するようになってかなりイライラさせられます。一方で敵が暗闇状態になった場合は、ほとんどがミスになってくれないと、わざわざ暗闇状態にさせた意味がなくなってしまいます。

上記の低下率であれば、味方の場合は暗闇状態でも1/3は攻撃が当たりますし、敵は1/10の確率でしか当たらなくなるので、戦いやすくなるのではないでしょうか。

このほか、毒によるHP減少率を味方と敵とで変えたり、耐性を味方と敵とで変えたりといったことが考えられます。

標準機能でも、味方用と敵用のステートを別に作成して、そのステートにするスキルも味方用と敵用で別に作成すれば、同じことは可能ですが、かなり面倒です。

なお、このプラグインでできるのは、ステートの特徴をアクターか敵キャラかによって適用するか否かを変えることだけです。ステートの特徴で指定するのではない、継続ターン数を変えたりとか、敵キャラでも雑魚敵とボス敵とで変えたりとか、アクターでも主人公と仲間キャラとで変えたりとかはできません。

後者は特に、何をもって雑魚敵とボス敵とを区別するのかとか、区分は雑魚敵とボス敵の2種類だけで十分なのかとか、いろいろ考慮すべき点があるため、対応しようとするとプラグインの複雑化が避けられません。プラグインの作りは単純にしてあるので、そういった機能をご希望の場合は、ご自身で改造してみてください。

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[ テクニック ] [ 素材 ] [ プラグイン/スクリプト ] 攻撃ミスや会心の一撃の発生を抑止

2022-07-13 02:15:51

指定したスイッチがOFFの間は、攻撃ミスや回避、会心の一撃が起きないようにするプラグインを作成しました。

RPGツクールMV/MZの両方に対応しています。

ゲームを開始して、いざ最初の戦闘!

でも、1発目の攻撃でいきなりミスが起きたら、ちょっと萎えてしまいます。

例えばプレイヤーキャラクターの命中率が99%、敵キャラクターの回避率が1%で、ミスが発生する確率を限りなく低く設定したとしても、単純計算で50人に1人は最初の攻撃でいきなりミスとなってしまいます。

たとえ戦闘のバランスを丁寧に調整していたとしても、そういう内部の仕組みはプレイヤーには分からないので、1発目の攻撃がいきなり外れた!となったら、作りの粗いゲームだという印象を持たれてしまいます。

ミスだけでなく、会心の一撃についても、最初の攻撃がいきなり会心の一撃だと、ラッキー!と思うよりは、バランス調整の甘さを疑ってしまいます。

かといって、攻撃ミスや会心の一撃が一切発生しないゲームというのも、それはそれで味気ないものです。

というわけで、攻撃ミスや回避、会心の一撃の発生を制御できるプラグインを作成しました。

指定したスイッチがOFFの間は、攻撃ミスや回避、会心の一撃がプレイヤー・敵含めて起こらず、スイッチがONになると、それらが起きるようになります。

具体的には、指定されたスイッチがOFFの時は、命中率が100%、回避率、会心率、会心回避率、魔法回避率がそれぞれ0%となります。ONの時は元の率となります。

ゲーム開始時はスイッチがOFFなのでミスや会心の一撃が発生せず、ある程度ストーリーが進んだ段階でスイッチをONにしてやり、それ以降はミスや会心の一撃が発生するようになる、といった使い方を想定しています。

あるいは、戦闘回数が一定以上になったらスイッチをONにする、といった方法も考えられます。

最序盤の戦闘でいきなりイレギュラーなことが起きるのを防ぐ目的で作成したプラグインですが、例えば特定のイベント戦闘において、ミスや回避、会心の一撃が発生して、戦闘の進行が崩れてしまうのを防ぐ、といった使い方もできそうです。

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[ テクニック ] [ 素材 ] [ プラグイン/スクリプト ] 進行状況ウィンドウにテキスト幅自動調整を追加

2022-04-14 22:29:40

好評いただいている、メニュー画面に現在の物語の進行状況等を示す簡単なテキストを表示できるプラグイン「進行状況ウィンドウプラグイン」に、長いテキストでも文字の幅を自動的に調整して枠内に収めてくれる機能を追加しました。

※ 2025-02-28追記
テキスト幅自動調整をONにした時、通常のヘルプウィンドウでも改行や制御文字などが使用できなくなってしまう不具合を修正しました。

ツクールフォーラム」で、長いテキストでも表示できるようにしてほしいという要望があったため、対応したものとなります。

テキストを電光掲示板のようにスクロールさせたり、ボタンを押すと残りの文字が表示されたり、いくつか表示させ方の案はいただきましたが、いずれも一筋縄ではいかなそうだったので、長いスキル名やアイテム名等の場合と同様に、ウィンドウ内に入りきるように自動的に文字幅を少し狭くする方法で対応しました。

プラグインパラメータに「テキスト幅自動調整」という項目を追加しました。

デフォルトはOFFで、OFFだと長いテキストの場合は文字が途中で切れてしまいます。

テキスト幅自動調整OFFの状態。文字が途中で切れている。

これをONにすると、長いテキストの場合はウィンドウ枠内に入りきるように、自動的に文字幅が調整されます。

テキスト幅自動調整ONの状態。文字幅を調整して枠内に収めている。

あまりに長いテキストだと文字が潰れて読めなくなってしまいますが、5~10文字程度はみ出るというような場合には有効だと思います。

ただし副作用として、テキスト幅自動調整をONにすると、表示するテキストに改行や制御文字などが使用できなくなってしまいます。特にMVのデフォルトの表示は改行が入ること前提となっていますので、MVでお使いの場合や、制御文字を使用したい場合は、テキスト幅自動調整はOFFでご利用ください。

「進行状況ウィンドウプラグイン」自体の詳しい使い方については、過去記事「メニュー画面に物語の進行状況を表示」や「進行状況ウィンドウプラグインをMVにも対応」もご参照ください。

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[ テクニック ] [ 素材 ] [ プラグイン/スクリプト ] ダメージ計算式内のスクリプトが自動戦闘で実行されるのを防ぐ

2022-03-21 16:11:50

スキルやアイテムのダメージ計算式内に、ダメージ計算以外のスクリプトを書いた際に、自動戦闘の評価時にもそれが実行されてしまうのを防ぐプラグインを作成しました。

RPGツクールMV/MZの両方に対応しています。

ダメージ計算式の応用テクニック

スキルやアイテムのダメージ計算式にはスクリプトを記述することができ、ダメージ計算式以外の処理をさせることができます。

例えば「体当たり」という、敵に大ダメージを与える代わりに、自分がスタンしてしまうスキルを考えます。

このような、相手にダメージを与えつつ、自分にも何らかの効果を及ぼすようなスキルは、標準では作れません。RPGツクールMZであれば、新たに導入された「直前に行動したアクターのID」や「直前に行動した敵キャラのインデックス」を用いて、コモンイベントでステートを付与することも可能ですが、味方はともかく敵キャラのスキルとしても対応させようとすると、けっこう面倒くさいです。

しかし、RPGツクールMVでも可能で、かつ簡易な方法があります。

それが、ダメージ計算式を応用する方法です。

ダメージ計算式の中はスクリプトが書けるようになっており、かつスキルの使用者がa、対象者がbで表せるようになっています。

通常の使い方としては、a.atkで使用者の攻撃力を取得したり、b.defで対象者の防御力を取得したりするものですが、aやbの実体はGame_ActorやGame_Enemyオブジェクトなので、それらが持つプロパティやメソッドは全て使用することができます。

すなわち、a.addState(10)と書けばスキルの使用者に10番のステートを付与することができますし、a.increaseBuff(4)と書けばスキルの使用者の魔法力を1段階上げることができます。

前述の「体当たり」スキルであれば、

a.addState(13); a.atk * 4

と書くことで、自身の攻撃力の4倍のダメージを相手に与えつつ、代わりに自分が13番のステート(スタン)にかかります。

正攻法ではありませんが、このダメージ計算式にスクリプトを埋め込む方法は、応用技としてよく用いられており、当サイトでも「プラグインなしでムチ攻撃」などの記事で紹介しています。

自動戦闘での問題点

しかし、このダメージ計算式の応用技は自動戦闘の際に問題があります。

アクターや職業、武器の特徴では「特殊フラグ」の「自動戦闘」というのがあり、この特徴が付くと自動的に戦ってくれるようになります。

この自動戦闘の仕様はどういうものかというと、その時に使用可能な全てのスキルを使った時のダメージ量を計算して、ダメージ総量のより多いスキルが選ばれるようになっています。

つまり、最初に全てのスキルに関してダメージ計算を行うため、ダメージ計算式内のスクリプトが実行され、ステート付与など結果を伴うスクリプトの内容が実際に反映されてしまうのです。

本プラグインはこの問題を解消し、自動戦闘におけるダメージ量評価時には、スクリプトの内容が反映されないようになります。

プラグインの実装

具体的にどうやっているのかというと、aにスキルの使用者、bに対象者を代入する際、自動戦闘の評価時には、ツクールのコアスクリプトで定義されているJsonEx.makeDeepCopy()を用いて、使用者と対象者そのものではなく、それのコピーを代入するようにしています。本体ではなくコピーなので、実際のアクターや敵キャラには影響を及ぼしません。

同様にダメージ計算式においては、itemに使用するスキルやアイテム、vに変数が代入されますが、これらもコピーを代入するようにしているので、例えばダメージ計算式内で変数を操作したとしても、実際の変数が変化することはありません。

グローバル変数「inEval」

多くの場合は以上で解決するのですが、場合によってはこれだけでは解決しないケースがあります。

例えば自爆技のように、自分の命と引き換えに、敵に大ダメージを与えるスキルの場合、ダメージ計算式を以下のようにすれば、とりあえず目的は達成することができます。

a.die(); 300

上記の例では、a.die()で使用者を戦闘不能状態にさせつつ、敵に300ポイントのダメージを与えることができます。

ただこれだと、使用者に戦闘不能のステートが付くだけで、死亡時のエフェクトがないため、自爆したことが分かりづらいです。

performCollapse()で死亡時のエフェクトを演出することができるので、ダメージ計算式を下記のようにしてみましょう。

a.die(); a.performCollapse(); 300

これでちゃんと死亡時のエフェクトが出るようになりましたが、自動戦闘にすると評価時にも死亡時のSEが鳴ってしまいます。

本体ではなくコピーを使うことで、ステートの変化が実際に反映されることはなくなりましたが、SEやアニメーションなどはその限りではありません。

というわけで、自動戦闘の評価時か否かを表すグローバル変数「inEval」を定義しました。

inEvaltrueであれば自動戦闘の評価時、falseであれば実際のスキルの使用時となり、ダメージ計算式内で分岐させることができます。

a.die(); !inEval && a.performCollapse(); 300

上記のように書けば、自動戦闘の評価時にはa.performCollapse()が実行されず、実際の使用時にのみ実行されるようになります。

変数名として「inEval」を使っているプラグインとは競合する可能性がありますので、ご注意ください。

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