巷の噂通り、体験版が出ましたね。体験版と言っても、拙作の和風探索RPGではありません。「RPGツクールVX Ace」の体験版の方です。え? 普通そっちだろって…?
さっそくダウンロードして、気になっていた部分をいろいろと確認してみました。
マップエディター
マップエディターが2層レイヤーに分かれているっぽかったのは、幻だったようです。レイヤー設定のアイコンと思ったのは、「リージョン」の編集用アイコンだった模様。
リージョンというのは、新しい概念というわけでもないですが、これまでの「エリア」の拡張版のようなもので、1マス1マスに対してリージョン番号を設定可能。このリージョン番号によって、ランダムエンカウントが制御されるようです。従来のエリアが長方形でしか設定できなかったのに対し、このリージョンは1マス単位で設定できるので、複雑な地形でも簡単に制御ができますし、森の中しか登場しないモンスターなども楽に作れます。スクリプトで、エンカウント以外にも応用できそう。
ただ、リージョンは1つのマップにつき63までしか設定できないので、広いフィールドマップを作ろうとすると足りなくなりそうなのと、本当に1マスずつ指定しないといけないので、けっこう根気のいる作業になりそうです。マップチップと同様に、四角形とか塗りつぶしとかが欲しかったような…。
ただ、ランダムエンカウントの仕組みは一新されていて、敵グループごとに「重み」が設定できるようになりました。これで、頻繁に登場する敵や、めったに登場しない敵を作る際、同じ敵グループをいっぱい設定しないで済みますね。
草原や山地などのオートタイルの仕様も、やはり変更されているようで、従来の平原・森林・山地の3種類から、基本は平原・茂みの2種類になった模様。じゃあ、森林や山地はというと、背景が透明のオートタイルになっていて、自由に配置することができます。なので、砂漠に雪山を配置したり、溶岩の大地に青々とした森林を配置したりといった、シュールな光景も描くことができますw
タイルセットに関する詳細な設定は、既報通りデータベース内の「タイルセット」で細かく設定でき、「VX互換タイプ」に設定すれば、従来のVXのマップ素材もそのまま使えるようですね。
また、以前の分析通り、4方向の通行設定やカウンター属性の指定、ダメージ床の設定なども可能なようです。まあ、この辺は昔のツクールにあった機能ではありますが…。ただ、新しいタイル属性として「梯子」属性が登場。ハシゴのタイルなどで、キャラクターが必ず上向きになるようにする機能のようです。これで、ハシゴの途中で移動魔法を使われた場合に、キャラが上向きのままになってしまうという、シュールなバグも心配なくなりますw
特徴機能
実態が不明だった「特徴」機能。
アクターや武器、敵キャラ、ステートなど、各項目で設定ができ、属性・ステート耐性や、能力値の増減変化、攻撃時の付加属性や付加ステートなど、様々な設定ができるようです。また、アイテムやスキルにも同様の「使用効果」という設定があって、それで細かく設定ができるようです。本当にいろいろな設定項目があるため、どういう効果をもたらすのかは、読み解いていかないと未知数であります。
同じ項目でも複数の設定ができるのですが、「属性有効度:炎 x 200%」「属性有効度:炎 x 150%」などと重複した設定もできるので、どういう実装になっているのか不明。アクターや職業でしか意味がなさそうな「武器タイプ装備」(装備可能な武器タイプの設定)などの項目が、敵キャラでも特徴として設定できるなど、謎の部分も多いです。
で、いろいろな項目が設定できるのはいいのですが、新たな項目を追加することはできないので、オリジナルの機能や能力値を実装しようと思うと、やはりメモ欄を活用するなどの工夫が必要になりそうです。属性有効度などが、従来のA〜Fの6段階ではなく、1%単位で細かく設定できるようになったのは、願い通りの機能ですが、どこまで希望の動作がスクリプトなしで叶えられるかは、しばらく使ってみないと分からなそうですね…。
スクリプト(RGSS3)
スクリプトについては、新機能の追加による変更が主で、VXのRGSS2から基本的な構造は変わっていないのではないかという予想でしたが、データベースやシーン遷移、戦闘の進行を管理するマネージャーモジュールが新設されたり、予想を覆して大幅に変化しているようです。
まあ、より作りやすく、より高速化を図る方向で実装されているということなので、いいんじゃないでしょうか。
その他
- イベントの仕様などはVXと基本的に同じ。
- イベントコマンドも、既報の「アイテム選択」などのほか、新機能に関連した「隊列歩行のON/OFF」や「戦闘背景の変更」などが中心で、それほど劇的な変化は見られない模様。
- RTPには倒れキャラのほか、凍結、石化がある。
- RTPのマップチップも小物がかなり増えていて、マップの組み甲斐がある感じ。
- 敵キャラの設定で「空中に配置」が無くなり、敵グループでいちいち手動で位置調整しないといけなくなったのが痛いかも。なぜなくす…。
以上、個人的に気になっていた部分で、実際に見てみて判明した機能の数々でした。
正直、VX Aceと言う割には、けっこう変化があるような。これなら、別にVXの名前を冠さなくてもよかったのではと思いますが、冠さなかったら冠さなかったで、VXとほとんど変わってねーじゃん!という文句が出るのでしょうか…。
まあ、まだ一部分しか見ていないですし、体験版では制限されている部分も多そうなので、実際の製品待ちですかね。
というよりですね、自分の作品の方の体験版が公開を控えているのですが…。明日には公開できるかなーと考えているのですが、何たるバッドタイミング…。
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