何だかんだ言って楽しみにしている『RPGツクールMZ』の新情報公開。
今週は公式サイトで以下の内容が公開されました。
- 移動ルートのプレビュー機能
- イベントコマンドの強化・拡張
- 4層レイヤー
- デフォルト素材の数やサンプル
移動ルートのプレビュー機能
一つ目は、風の噂にもなっていなかった、移動ルートのプレビュー機能。
「移動ルートの設定」の際に、そのルートが視覚化されるようになるそうです。歩数を間違えたりとか左右を逆にしてしまったりとか、確かによくやらかすので、テスト前にそれが分かるのはありがたいですね。
そうそう。こういうちょっとした、しかしどんな場合でも役に立つような機能を、どんどん取り入れていってもらえると、とても助かります。
ただ、ちょっと懸念が。これって移動の起点はどこになるんでしょうか。まず数歩移動して、そこからさらに移動させる、みたいなイベントはよくありますが、その辺はどう反映されるのか。
過去の移動を自動的に反映した起点にするのはどう考えても難しそうです。起点が自分で選べるようになっていればいいと思いますが、そのイベントの元の位置が常に起点になるようだと、途端に使い勝手の悪い機能になりそうな……。(海外フォーラム情報によると、起点は選べるっぽいですね)
イベントコマンドの強化・拡張
イベントコマンドの種類自体はMVから変わっていないようですが、コマンドの中身はいくつか細かい強化が図られているようです。
- 「文章の表示」に「名前」欄が追加(既報通り)
- 「条件分岐」の「ボタン」で「押されている」「トリガーされている(押された瞬間)」「リピートされている(押しっぱなし)」を選択可能に
- 「指定位置の情報取得」でイベントやプレイヤーの位置を選択可能に
- 「マップのスクロール」に「完了するまでウェイト」を追加
- 「ピクチャの移動」で開始・終了時の速度を遅くできるように
以上が「一例」と言うことなので、他にも追加はありそうですね。どれも地味な機能ですが、どれもよく使われるし、対応しようとするとひと工夫必要で面倒ですし、追加されたからって副作用もなさそうで、非常に好感の持てる機能追加です。
名前欄は、実際の表示例が公開されました。私の作っている「話し手ウィンドウ表示スクリプト」とほぼ同じ表示ですが、私のは枠の幅が固定なのに対して、こちらは名前の文字数に応じて幅が可変のようです。幅が可変だと1〜2文字の短い名前の場合に不格好なので、固定の方が好みですが、これくらいならスクリプトをいじればすぐに変更できそうです。
ボタンの判定は、既存の判定だと微妙に癖があって、ミニゲームなどの実装で苦労するポイントでしたが、それが解消しそうですね。ただ、「トリガーされている」「リピートされている」という文言はさすがにどうかと思いますよ……。
指定位置の情報取得は、VX Ace以降の機能なので私は使ったことありませんが、現状だと直接指定かX/Yの変数で指定しかできないので、現在位置の情報を取得しようとすると、まず変数にプレイヤーのXとY座標を取得して……とやる必要があります。それが「プレイヤーの位置」で一発指定できるのは非常に楽ですね。
マップのスクロールで完了するまでウェイトは、なんで今までなかったんだよと言うくらい、ありがたい機能ですね。これでいちいちウェイトのフレーム数を計算する日々から解放されます!
ピクチャの移動は、個人的にはあまり使ったことのない機能ですが、移動の最初や最後をゆっくりにするのはよくある演出だと思いますし、良さそうな機能です。
他に欲しい機能は……
- アイテム・武器・防具の増減で対象のアイテムを変数で指定
- 乗り物の乗降で、単純に乗降状態のみを変えられるように(船に乗っている状態で移動魔法を使うケースなど)
- BGMのフェードイン
といったところですが、果たして実装される時は来るのか。(対象のアイテムを変数で指定は2000時代にはあったはず)
4層レイヤー
これがRPGツクールMZの最大の目玉と言っても過言ではないのではないでしょうか。
レイヤー別の編集ができるようになったばかりか、XPの時の3層より多い4層レイヤー。期待以上という方も多いと思います。
ただ個人的には、かえって使い勝手が悪くなったという印象です。
まず、レイヤーの切り替えが、メニューからしか選択できなそうな点。ツールバーにも切り替えアイコンらしきものがないし、ショートカットキーも設定されていないようです。レイヤーの切り替えは頻繁に発生するのに、これではメニューから「レイヤー」を選ぶ→目当てのレイヤーを選ぶ、という2回のクリックが必要になって、明らかに手間です。開発中の画面だからツールバーもショートカットキーもまだできてないんだ、と言ってほしい……。
※追記:新たに公開された動画によると、Ctrl+Tabでレイヤーの切り替えができるようです。
MV同様の自動モードもあるそうですが、MVの自動レイヤーには致命的な欠陥があります。
例えば、オレンジ色の花を置いたけど、やっぱり青色の花に変えたい、と思って上書きします。小物配置の時に、そんなことはしょっちゅうあります。
VXやVX Aceでは2層レイヤーなので、意図通りにオレンジが消えて青で上書きされます。
ところがMVでは、なんとオレンジの花の上に青の花が重なってしまいます。置き換えか重ね合わせか、なんてことは考慮してくれません。一度オレンジを消してから青を置かないと重なってしまうため、かなり手間になりました。
自動モードはMV同様とのことなので、その辺の仕様は変わってなさそうですよね。
自動モードの場合は、Aのチップがレイヤー1に、Aのうち山や柵などがレイヤー2に、B-Eのチップがレイヤー3に、B-Eのうち通行設定が[☆]のものがレイヤー4に、自動的に配置されるようになっていれば、一番使いやすいのですが。というか、それ以外の置き方をしたいケースって滅多にないのでは?(ないとは言わないけど)
どうしても違う置き方をしたい時や、上層チップを置いた後で下層チップを変更したい時とかに限ってレイヤーを切り替える、といった使い勝手にしてくれるとありがたいのですがね。
デフォルト素材
個人的に一番気になっていたデフォルト素材の質感も、概要が明らかになりました。
ツクール史上最大規模の素材を同梱
と謳われていた割には、BGMの数はそんなに多そうに見えなかったので心配していましたが、BGMは48曲収録とのこと。VXやVX Aceが42曲なので、かろうじて多いか。SEの345曲というのが凄そうですね。MVが少なすぎって噂もありますが。
画像素材も数が多いのは間違いないようで、敵キャラクターが105、顔グラフィック15x8=120は、確かに豊富です。キャラクター44はVX Aceより少ないですが、VX Aceは水増し感もありましたし、キャラ生成機能でカバーできるので、デフォルト素材の数はあまり問題になりません。
バストアップやキャラクター全身といった画像素材も加わっており、立ち絵の表示など表現力も広がりそうです。ただこれは、キャラ生成でオリジナルのものが手軽に作れるようになっていないと、使い所が限られるような気もしますね。
敵キャラや顔グラなどグラフィックのタッチは、MVに比べて個人的に好みではあります。キャラクターの頭でっかち感は、解消されていないっぽいのが残念ですが……。
あと気になっているのは、敵キャラのスライムがどんな絵柄かという点。今回の公開画像にはスライムがいなかったので、評価は先送り。2000やVXみたいな、いかにも弱そうな初期のモンスター感があればいいのですが、XPやMVみたいなクセ強すぎなスライムだと悲しい……。
まとめ
ようやく具体的に使用感をイメージできる情報が公開されましたね。イベントコマンドの強化・拡張は、地味ながら嬉しい機能だと思います。
普通に作る分にはできるだけストレスなく操作できるように、だけど高度な要望にも応えられるように、というのは非常に難しいですが、今後もその絶妙なバランスを保ちつつ、発展していってほしいと思います。
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